『ロレックスのサブマリーナが欲しい』
『でもオメガのシーマスターも気になる…どっちが良いんだろう?』
こんな疑問を持っていませんか?
本記事では、こういった疑問に答えるため、【ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスターダイバー300M】と題して、“対戦形式”で様々な角度からレビューと比較をしていきます。
この記事を書いている僕は、腕時計愛好歴4年、有名雑誌の時計レビュー企画で1000通の中から大賞に選ばれたり、腕時計コンサルタントとして一人ひとりにぴったりの腕時計を見つけるお手伝いをしています。
実は大賞を獲ったときにレビューした時計が、今回のオメガのシーマスターダイバー300Mでした。ある意味とても思い出深い一本です。
一方、ロレックスのサブマリーナは初めて買った高級時計で、僕の分身と言えるくらい大切にしている時計です。
ダイバーズウォッチの原点にして頂点とも言われる王者サブマリーナに対して、挑戦者オメガのシーマスターダイバー300Mはどんな戦いを見せるのか??非常に興味深い一戦です!
ちなみに、私がなぜロレックスのサブマリーナを初めての時計に選んだか?その経緯と理由はコチラです→正規店で購入!ロレックス サブマリーナを最初の腕時計に選んだ理由
目次
ロレックス サブマリーナ 対 オメガ シーマスターダイバー300M 比較レビュー
1. ブランド性: 私が作成した「腕時計ブランド格付け表」をベースに算出
2. 歴史/ストーリー: 対象時計のオリジナルモデルからの歴史の長さ・語れるストーリーの豊富さ
3. 外装/質感/ベルト: ベルトを含む外装の質感・仕上げの綺麗さ
4. ムーブメント/精度: ムーブメントの美しさ・精度・自社製かどうか
5. デザイン/サイズ: デザインの良さ・サイズ感の良さ
6. 操作感/心地良さ: 時計を付けた時の心地良さ・操作の簡単さ・心地良さ
7. 汎用性/使用範囲: 似合う服装の範囲・使用シーンの豊富さ。私が作成した「時計とドレスコード表」をベースに算出
8. コストパフォーマンス: 価格に対しての満足度
9. 資産価値: 購入価格or正規品と並行品の価格差・買取価格をベースに算出
10. 堅牢性/機能性: 内訳の総合点
10-1. 防水性: 30~50m防水で0.5点、200m防水で2.0点
10-2. 耐磁性: 4800A/mで1.0点、16000A/mで2.0点
10-3. 耐傷性: ステンレス、サファイヤガラス、セラミックなどで加点
10-4. 耐衝撃性: スペックや実体験で判断
10-5. 特殊機能: 基本的な機能以外に1個あれば1.0点、2個あれば2.0点
11. 総合点: 10項目の合計点(100点満点)
12. 機能性抜きの満足度%: 「堅牢性/機能性」を抜いた満足度%(ドレスウォッチなどは堅牢性面で不利なため設けた)
1. ブランド性: サブマリーナ 8.5点 vs シーマスター 8.0点
「工業製品の頂点級」と位置付けたロレックスのブランド性は8.5点です。
間違いなく知名度や人気度は世界最高峰なのですが、世界五大時計ブランドやムーブメントの超名門のジャガールクルトなど、やはり上には上がいます。
そうは言っても、8.5点は相当高い値です。
一方、「実用時計の最高峰級」と位置付けたオメガのブランド性は8.0点です。
オメガは、ロレックスのライバルとなり得る最有力候補ではないでしょうか。実際、日本ではロレックスに次いで2番目に人気があるのがオメガとなっています。
僕の作成したブランドの格付け表でも「実用時計の最高峰級」では、オメガをエースブランドに位置付けています。
しかし、現段階では総合力でロレックスに半歩譲っているかなという印象です。
各ブランドのブランド性が気になる方におすすめの記事はこちらです→1記事でわかる!時計ブランド44社の特徴と格付け 2020年度版
2. 歴史/ストーリー: サブマリーナ 10点 vs シーマスター 9.5点
サブマリーナの歴史/ストーリーは10点満点です。
サブマリーナといえば、1953年に誕生した「世界初のダイバーズウォッチ」です。
その歴史的意義の大きさは計り知れません。 ダイバーズウォッチの原点にして頂点と僕は思っています。
一方、シーマスターダイバー300Mは9.5点としました。 シーマスターシリーズは1948年に誕生しました。
当時は現在のダイバーズウォッチのような形態はしておらず、本格的なダイバーズウォッチとして「シーマスター300」として登場したのは1957年のことです。
その後、海底油田調査のヤヌス計画に帯同したり、世界的に有名な探検家やダイバーに選ばれるなど輝かしい歴史とストーリーを持ちます。
両者に共通しているのは、英国海軍で採用されていた歴史と、映画「007」のジェームズ・ボンドの時計としても活躍している点です。 この対決は、いわば新旧ジェームズ・ボンド時計対決とも言えます。
サブマリーナやシーマスター、ダイバーズウォッチの歴史をより詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです→タフな時計が欲しい!ダイバーズウォッチの選び方とおすすめ10選
3. 外装/質感/ベルト: サブマリーナ 9.5点 vs シーマスター 9.0点
サブマリーナの外装/質感/ベルトは9.5点です。
外装の質はとても高いです。 サブマリーナのブレスレットは、ぎっちり中身の詰まった金属の質感が気持ちよく、それでいて”しっとり”していて上質感の塊です。
バックルを止めるときもパチンッ!と剛性感のある締まり方をしてくれます。エッジの立ち具合もキリっとしていて気持ちがいいです。
一方、シーマスターダイバー300Mは9.0点としました。
ベゼルは質感の高いセラミック製で印字はホワイトエナメルが用いらています。境界線もくっきりしていて視認性が高いです。
同じくセラミック製のダイアルには、初代のアイコンでもあった波模様が彫られていますが、このエッジが物凄く際立っていて、質感の高さをヒシヒシと感じます。
ラバーベルトの質感も個人的には好きです。腕にピッタリと吸い付き、気持ちが良いです。
一方でステンレスのベルトは、サブマリーナのそれと比べると剛性感において個人的には分が悪いかなと思います。
4. ムーブメント/精度: サブマリーナ 9.0点 vs シーマスター 9.5点
サブマリーナのムーブメント/精度は9.0点です。
さすがロレックス、精度は抜群に高いです。スペック上日差+/-2秒で、私の個体もそれ以内に収まっております。
美しさという観点からは、裏蓋がシースルーでないので評価できませんが、ダイバーズウォッチなので、そこも硬派で評価できます。
唯一、パワーリザーブ48時間と、現代基準に照らすと短めなので、-1.0点としました。
一方、シーマスターダイバー300Mは9.5点としました。この対決で、初めてサブマリーナを上回りましたね。
シーマスターダイバー300Mに搭載されているムーブメントは自社製のコーアクシャルCal.8800というものです。
マスタークロノメーターという新規格に合格している同ムーブメントは日差0~+5秒以内、15000ガウスの耐磁性、5000Gの耐衝撃性、パワーリザーブ55時間を持ちます。
シースルーで同ムーブメントを見ることができますが、美しさというよりも整然とした機械感がソリッドでカッコいいです。
5. デザイン/サイズ: サブマリーナ 10点 vs シーマスター 9.5点
サブマリーナのデザイン/サイズは10点満点です。
世界初のダイバーズウォッチであり、ダイバーズウォッチの原型となったデザインです。
そのデザインは、60年以上たった今でも、オリジナルからほとんど変わっていません。 まさに初めから完成されていたデザイン。「原点にして頂点」と言えるでしょう。
そして「デイト(日付)」が無いところも、非常に気に入っています。シンメトリーのデザインはオリジナルの通りで、完璧なバランスです。
サイズも40mmとベストサイズ。現代のダイバーズウォッチは42mmが多いですが、そこも硬派に40mmに踏みとどまっているところが高評価です。
一方、シーマスターダイバー300Mは9.5点としました。
シーマスターもアイコニックな波模様の文字盤、特徴的な中抜き針、ベゼルの形状を持ち、独自のデザインを貫いており、個人的には高評価です。
ただ、サイズが42mmと個人的には少し大きいかなという点(ただしスリムなプロポーションをキープしている点は◎)、さらに裏蓋が、オメガのアイコンでもあるシーホースからシースルーになってしまったのが残念ポイントで減点しています。
6. 操作感/心地良さ: サブマリーナ 10点 vs シーマスター 9.0点
サブマリーナの操作感/心地良さは10点満点です。
まず何といってもベゼルの回し心地が最高に気持ちいいです。 チチチチ…と心地良いクリック感で、つい用も無いのに回してしまいます。 まだこれよりも気持ちいいベゼルに出会ったことがありません。
そして、ブレスレットの肌触りが「しっとり・ひんやり・さらさら」と、とても心地良いです(抽象的ですみません…)。 リューズを引いた時の、パチンとした感じや、針合わせの時のソリッド感も気持ちいですね。
いずれも使っていてとても扱いやすく、気持ち良い時計です。
一方、シーマスターダイバー300Mは9.0点としました。
全体的に使い心地は良のですが、ベゼルの回し心地だけは、価格に比べて少しチープな感じがしました。よって、1.0点減点にしています。
7. 汎用性/使用範囲: サブマリーナ 8.5点 vs シーマスター 8.5点
汎用性/使用範囲は両者ともに8.5点です。
ダイバーズという時点で、合わせられる服の範囲が広いので、基礎点が高いです。
通常のダイバーズウォッチでは、ビジネスフォーマルスーツにはギリギリかと思いますが、サブマリーナとシーマスターは有りの方向が若干強いかと思います。
それはセラミックによる光沢と高級感が、フォーマルさを少し助長しているためだと思います(ラバーベルトではなく、ステンレスベルトに交換する必要があり)。
そして、何といってもジェームズ・ボンドがタキシードに合わせたという事で、世の中に「あ、こういう合わせでもいいんだ」と思わせた功績が大きいでしょう。
メンズファッションと時計のマッチングについて詳しく知りたい方はコチラの記事がおすすめです→腕時計をおしゃれに着けこなすコツ【メンズの腕時計と服装の合わせ方】
8. コストパフォーマンス: サブマリーナ 10点 vs シーマスター 10点
コストパフォーマンスは両者ともに10点満点です。
私はサブマリーナを正規店かつ免税で買えたので、かなりコストパフォーマンスが高いと感じています。
正直、同価格帯の時計で、これほどにまで総合力が高く、満足できる時計を私は知りません。
一方で、シーマスターは、新品並行品がおよそ42万円程度で買うことができます。
42万円でこれだけのパフォーマンスを出せる時計も珍しいと思います。
さらにオーバーホールが従来の倍である8~10年周期という維持費の安さも高コスパですよね。
9. 資産価値: サブマリーナ 10点 vs シーマスター 10点
今回の比較で最も点数が開いたのが、この資産価値の項目です。
まず、サブマリーナの資産価値は10点満点です。 私が購入した時は約70万円でした。 並行輸入品の価格は約99万円となっています(今現在コロナショックで下降傾向)。+22万円、141%の価格になっています。
しっかりとした歴史的背景と意義の大きさ、完成されたデザイン、ロレックスゆえの高品質と精度の高さ、頑丈性、知名度を考えても、今後も人気は衰えないでしょう。
ロレックス特有の現象で、廃盤になれば値が上がるという事もあります。
そう考えればさらに価格上昇の見込みが強いと思います。 現在の価値、そして将来の有望性から10点満点としました。
一方、シーマスターダイバー300Mの資産価値は8.0点としました。
同モデル(黒のラバーベルト)の正規品定価は57万2000円。新品並行品の価格は約42万6000円。-15万円、75%の価格となっています。
これはオメガに限ったことではなく、ほとんどのブランドの時計が同様になります。
しかし、人気と知名度の高さから、売却する際にはある程度の値がつけられると思います。総合的に考えて8.0点としました。
正規品と並行品のメリット・デメリットが知りたい方は、コチラの記事がおすすめです→腕時計の正規品と並行輸入品の違いとは?ネットで買うのはありか?
10. 堅牢性/機能性: サブマリーナ 9.5点 vs シーマスター 10点
サブマリーナは9.5点、シーマスターは10点満点です。
ダイバーズウォッチらしく、両者ともに非常に高い点数です。
それぞれの評価項目について見ていきましょう。
10-1. 防水性: サブマリーナ 2点 vs シーマスター 2点
防水性は両者ともに2点満点。 300m防水を誇っています。
10-2. 耐磁性: サブマリーナ 1.5点 vs シーマスター 2点
ダイバーズウォッチは、JIS第一種耐磁時計の要件を満たしています。
サブマリーナ114060は、耐磁・耐衝撃性優れるパラクロム製ヒゲゼンマイを採用したムーブメントCal.3130を採用しており、10,000A/mの耐磁性とのことなので、1.5点としています。
シーマスターは、MRIに入れても大丈夫なほど耐磁性能がずば抜けていて、15000ガウス=1194000A/mの帯磁性なので、サブマリーナの約120倍の帯磁性を持ちます。
圧倒的な差なのですが、このブログでの評価基準では上限が2点なので、2点とさせて頂きます。
10-3. 耐傷性: サブマリーナ 2点 vs シーマスター 2点
耐傷性は両者2点満点です。
両者ともに、セラミックをベゼルに使い、サファイアクリスタルの風防を用いています。
ただ、ロレックスのケースは、904Lという非常に傷や錆に強い特殊なステンレスでできています。
非常に扱いが難しい素材だそうで、腕時計でこれを扱えるブランドはロレックスのみと言われています(SinnやBall watchも使っていますね)。
そう考えれば、点数に差は出ませんがサブマリーナの方が耐傷性は高そうです。
10-4. 耐衝撃性: サブマリーナ 2点 vs シーマスター 2点
耐衝撃性も両者2点満点です。
サブマリーナ114060は、耐磁・耐衝撃性に優れるパラクロム製ヒゲゼンマイを採用したムーブメントCal.3130を採用しています。 特に耐衝撃性は従来の10倍という強さを誇ります。
自動車の衝突の何倍もの衝撃である5000Gの試験を課しています。これは、オメガのシーマスターも同様で、5000Gの試験を課しています。
10-5. 特殊機能: サブマリーナ 2点 vs シーマスター 2点
特殊機能も両者2点満点です。
まず一つは、逆回転防止ベゼル。 ダイバーズが潜水経過時間を見るものですが、日常生活でも何かと役に立ちます。
もう一つが、ブレスレットの長さ調整機能です。 これらはサブマリーナ、シーマスター(ステンレスベルト)の両方についています。
さらに、シーマスターの場合は、ヘリウムエスケープバルブが付いています。
【採点結果】サブマリーナ 総合点: 95点 満足度: 95% vs シーマスター 総合点: 91点 満足度: 90%
「ロレックス サブマリーナ 114060」の採点結果は………「総合点95点」「満足度95%」!
「オメガ シーマスターダイバー300M」の採点結果は………「総合点91点」「満足度90%」!
ということで、王者ロレックスサブマリーナの勝利!防衛成功です!!
いや~、非常にハイレベルな戦いだったと思います。挑戦者のシーマスターダイバー300Mも非常にバランスの取れた秀逸な時計だと改めて思いました。
そもそも90点台を出す時計は極めて稀です。おそらく100本やっても5本前後だと思います。
両者の戦いを振り返ると、全体的にサブマリーナが常に半歩リード、シーマスターも負けじと食らいついている印象です。
しかし、操作感と資産価値の項目で大きく差が出てしまいました。
一方で、ムーブメントや耐久性ではシーマスターに軍配が上がっています。さらに点数では変わりませんが、コストパフォーマンスの高さもシーマスターでしょう。
したがって、より耐久性がありコスパに優れた時計がほしいならシーマスター。より資産価値がありアイコニックな時計がほしいのであれば、サブマリーナが良いと思います。
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あとがき
40記事目にして初めての“対戦形式”のレビュー企画、如何だったでしょうか?
もちろんシンプルなレビューも良いですが、おそらくサブマリーナとシーマスターで迷われている方も多いと思い、このような企画にしてみました。
個人的には書いていて、とても面白かったです。
今回は海を舞台にしたダイバーズウォッチ対決でしたが、次回は「ナビタイマーvsマークシリーズ」のパイロットウォッチ空中戦!とかも面白そうですね。
この記事が、サブマリーナやシーマスターを検討している方はもちろん、腕時計を買おうと考えている方の参考になれば幸いです。
もしまだ腕時計選びで悩んだり、迷っているようでしたら「たったの3ステップで理想の腕時計を見つける方法」をまとめました→時計選びで悩む人必見!たった3ステップで理想の時計を見つける方法
これからも色んな時計を採点していきたいと思います。
この時計を採点してみて欲しいなどありましたら「問い合わせ」からコメント頂けたら嬉しいです。
それではまた!ありがとうございました。