『時計が欲しいけど、どのブランドの時計を買うべきか?ブランドの立ち位置を知りたい』
こんな風に思ったことはないでしょうか?
この記事は、そんな思いを解決するために、”某有名高級時計雑誌の腕時計コメント大賞”も受賞した私が作成した「腕時計ブランド格付け表」を用いて、主要ブランドの立ち位置と特徴を紹介するシリーズ。
この記事を読めば【人気時計ブランドの特徴と立ち位置】をサクッと学ぶことができます。
ラストの後編は、実力揃いのブランドからエントリー級のブランドまで多種多様なクラスの解説となっています!
目次
1. 腕時計ブランド格付け表
今回は、下の4段部分のクラスを紹介していきたいと思います。
※2020年4月15日、この格付け表の詳しい見方や、これを作った理由などを解説している動画をアップしました。もしよろしければ、合わせてご覧下さい。
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2. 各ランクと主要ブランドの特徴 (後編)
2-1. 実力者級
◎新品正規品でおおよそ30万円くらいの価格帯
✔タグホイヤー
✔チューダー
✔モンブラン
✔ジン
✔フォルティス
タグホイヤーを中心にある専門分野に特化しているブランドが多く並ぶ。
各ブランドの看板モデルがおすすめ。
2-1-1. タグホイヤー
✔1860年創業、特にモータースポーツと深い持つブランド
✔世界で初めて自動巻きクロノグラフを発表したブランドのうちの一社
✔日本では「ロレックス」「オメガ」に次ぐ3番目の人気ブランド
特にモータースポーツと深い関わりを持つブランド。
「カレラ」「モナコ」「フォーミュラ1」などモータースポーツの名を冠したモデルも多い。
イメージ通り、赤色配したり、カーボン調のモデルがあったり、スポーティでスピードを感じさせるデザインが多い。
また、世界で初めて自動巻きクロノグラフを発表したブランドのうちの一社であり、クロノグラフの名門でもある。
モータースポーツが好きな人におすすめ。コスパが良いので初めての一本にも◎。
おすすめは青文字盤の「モナコ」。
スティーブマックイーンが映画「栄光のル・マン」で着用したことで有名になった、唯一無二のタイムピース。
2-1-2. チューダー
✔ロレックス譲りの高い品質
✔ユニークな歴史と将来性の高さ
✔日本への正式上陸は2018年と最近
ロレックスのセカンドラインとして1926年に創業された。
そのためロレックスと同じパーツが使われたり、形やデザインが似ているものも多い。
しかし現在は偉大な兄のもとを離れ、独自路線を歩んでいる。
日本には2018年に正式に上陸してきた。 ロレックス譲りの作りの良さや、デザイン、サイズ感の良さが好印象。
近年、チューダーのアンティークのダイバーズウォッチが高騰しており、将来性も有望。
比較的どのモデルもおすすめできるが、個人的に好きなのは「ブラックベイ58」
2-1-3. モンブラン
✔元々は筆記用具ブランドだが、時計部門は1997年からスタート
✔「ミネルバ」という名門ムーブメントメーカーを買収
✔特に限定品の時計の質が高い
モンブランは、万年筆・筆記用具の超有名ブランドだが、腕時計部門は1997年からスタートした。
「ミネルバ」という名門ムーブメントメーカーを買収したことにより、自社製ムーブメントを搭載することに成功。
名門リシュモングループに属する。限定品の出来が良いイメージ。
特におすすめは、「モンブラン1858」シリーズ。
2-1-4. ジン
✔パイロットウォッチのドイツ工業規格を作ってしまうほど研究熱心なブランド
✔他社には真似できない、極限状態で活きる機能の数々と耐久性の高さがすごい
✔パイロットやダイバーのみならず数々のプロ向けの特殊時計を開発
1961年、元ドイツ空軍のパイロット”ヘルムート・ジン”によって創業。
彼はパイロットの生命を左右するのは計器類の正確性であることを身をもって経験し、過酷な環境でも使用できる時計を開発するために「ジン特殊時計会社」を設立した。
時計好きでも知る人は少ないブランド。
それもそのはず、ジンは売り上げのほとんどを広告ではなく、研究・開発費に充てる為。
認知度は低いが、他のブランドでは実現できないような特殊機能を研究・開発し、世界各国の特殊な環境で働く者たちの心強いパートナーとなっている。
どのモデルもおすすめできるクオリティ。
2-1-5. フォルティス
✔1912年創業、世界で初めて自動巻き腕時計を開発・量産した
✔1994年ミール宇宙ステーション計画の宇宙飛行士標準装備器具に認定され、現在に至るまで宇宙での活動に従事
✔スイスのPC-7をはじめ世界60チーム以上の航空部隊で採用
世界で初めて自動巻き腕時計を開発・量産したブランド。
フォルティスの時計は、スイスのPC-7をはじめ世界60チーム以上の航空部隊に採用されている。
また、ソ連空軍に公式時計として納入され、ロシア空軍に引き継がれる。
この実績を評価されて、1994年ミール宇宙ステーション計画の宇宙飛行士標準装備器具に認定され、現在に至るまで宇宙での活動に従事している。
大気圏外で着用が許されているのは、オメガのスピードマスターとフォルティスのコスモノートのみである。
活動実績はスピードマスター以上であり、もっとも地球を周回している時計でもある。
特に「クラシック・コスモノート」がおすすめ。
2-2. 古豪&新興お洒落ブランド級
◎新品正規品でおおよそ20万円くらいの価格帯
✔ロンジン
✔オリス
✔ボールウォッチ
✔ノオスグラスヒュッテ
✔ベル&ロス
✔フレデリックコンスタント
✔ボームアンドメルシェ
古豪はロンジン、オリス、ボール、ボーム&メルシェ。
新興お洒落ブランドはベル&ロス、ノモス、フレデリック・コンスタント。
両者とも確かなクオリティの時計を作っている。
ムーブメントは汎用品が使われているものが多く、低価格でメンテナンスがしやすい。
2-2-1. ロンジン
✔1832年創業の老舗ブランド。第一回オリンピックの公式時計を務めた。
✔クラシカルな時計を作るのがうまく、近年の復刻時計のブームを作り出した
✔競馬や馬術界と繋がりが深い
創業1832年の老舗ブランド。
第一回オリンピックの公式時計であったり、日本に現存する最古のロンジンは西郷隆盛のものなど豊富な歴史と逸話がある。
競馬や馬術界を長年サポートしており、数々の賞としてロンジンが贈られている。
クラシカルな時計を作るのがうまく、昔の時計をリニューアルして発表する流行を作り出したブランドでもある。
おすすめは「レジェンドダイバー」。クラシカルでエレガント、スポーティさがうまくミックスされている。
2-2-2. ベル&ロス
✔1992年創業と比較的新しいブランド
✔航空機のコックピットの計器をモチーフにした時計が多い
✔時計愛好家だけでなく、ファッショニスタからの評価も高い
先に紹介した「ジン特殊時計会社」の時計に感銘を受けた時計マニア2人が1992年に創業したブランド。
航空機のコックピットの計器に着想を得たデザインとなっている。
四角いカタチがアイコニックで、幅広い層に受け入れられている。 ちなみに、あのキムタクも愛用している。
おすすめは扱いやすいサイズの「BR-03」と新作の「BR-05」。
2-2-3. ノモス
✔1992年創業と比較的新しいブランドだが、ルーツは1906年にまで遡る
✔バウハウスの哲学に則ったミニマルなデザイン
✔数々のデザイン賞を受賞するデザインセンスの良さ
1992年、ドイツのグラスヒュッテに創業。
「デザインは機能に由来する」というドイツのバウハウス思想を反映し、気持ちよいまでのシンプルな時計が特徴。
数々のデザイン賞を受賞している。
現代のミニマリズムと相性が良く、ミニマリストが好むブランドでもある。
おすすめは「タンジェント」。
2-3. ベストエントリー級
◎新品正規品でおおよそ5~10万円くらいの価格帯
✔セイコー
✔ハミルトン
✔ティソ
✔ブローバ
✔ストーヴァ
✔ラコ
✔ミドー
✔ユンハンス
コストパフォーマンスに優れ、とりあえず初めて機械式時計を試してみようという方にピッタリのクラス。
ただしこのクラスはオーバーホールをするよりも買い換える方がコスパが良い可能性が高い。
2-3-1. セイコー
✔時計の総合デパートと呼べるほどレパートリーが多い
✔特にダイバーズウォッチは海外で必ずニックネームがつけられるほど世界で愛されている
✔この価格帯では極めて珍しい”マニュファクチュール”(ムーブメントやパーツまで自社で作るブランド)
1881年創業。
低価格帯から中価格帯まで数多くの時計を揃える時計の総合デパート。
しかもムーブメントからパーツまで全て自社で製造するマニュファクチュール。
低価格ながら品質が高いので、世界中にセイコーファンがたくさんいる。
おすすめは、ドレス系の「プレザージュ」、ダイバーズの「SKX007」、フィールドウォッチの「SARB017」、3針スポーツの「SARB033」。
2-3-2. ハミルトン
✔1892年アメリカ ペンシルバニアで創業。現在はスイスに本部を構える
✔アメリカの鉄道時計、戦争用の時計、ハリウッド映画への提供などハミルトンの歴史はアメリカの歴史と重なる
✔世界初の自動巻きクロノグラフを開発したブランドの一社
1892年にアメリカのペンシルバニアで誕生したブランド(現在はスイスに本部を構えている)。
そのため、アメリカの鉄道時計、戦争のミリタリーウォッチ、ハリウッド映画への提供など、ハミルトンの歴史はアメリカの歴史とも言える。
おすすめは「カーキフィールド」と「ベンチュラ」、「イントラマティック」。
2-3-3. ラコとストーヴァ
✔2社とも1920年代にドイツで創業
✔第二次世界大戦では、ドイツ軍に時計を納入
✔“フリーガー”と呼ばれるパイロットウォッチなど、低価格で本格ミリタリーの時計を展開
この2社は1920年代にドイツにて創業された。
第二次世界大戦では、ドイツ空軍に時計を納入していたことから、現在でも“フリーガー”と呼ばれるパイロットウォッチ時計を製造している。
低価格ながら、歴史的背景のある本格ミリタリーウォッチが手に入るブランド。
2-4. エントリー級
◎新品正規品でおおよそ1~5万円くらいの価格帯
✔カシオ
✔シチズン
✔スウォッチ
✔タイメックス
✔オリエント
✔アルピナ
✔グライシン
1万円台から手に入る機械式時計もあり、学生にもおすすめ。
2-4-1. カシオ
✔1946年創業、主に電気関連の製作所であった
✔1983年 世界で大ベストセラーとなるG-SHOCKが誕生する
✔電池式の時計のみを作っている
機械式時計ではないが、世界中の大ベストセラー「G-SHOCK」を誇る。
世界中どこでも使われている究極のツール時計。
1万円台で、歴史あるアイコニックな時計が欲しければ、G-SHOCKの「GW-5000系」か「GW-5600系」がおすすめ。
2-4-2. オリエント
✔前身の東洋時計製作所は1920年、それを受け継いだオリエント時計は1950年の創業
✔ビッグブランドではないが、独自のデザインと哲学を持ち根強いファンがいる
✔この価格帯では極めて珍しい”マニュファクチュール”(ムーブメントやパーツまで自社で作るブランド)
日本の時計ブランド。
セイコーやカシオ、シチズンのような知名度は高くはないが、お洒落で粋な時計を作っている。
車で言えば「マツダ」のような立ち位置だと個人的には思っている。
1万円台から手にすることができ、尚且つ玄人感も醸し出せる、高コスパのブランド。
おすすめはドレス系の「バンビーノ」、ダイバーズの「MAKOⅡ」。
3. まとめ
✔1万円~30万円くらいの価格帯
✔モデル選びを間違えなければ、満足して長く使える価格帯
✔お試しで機械式時計をしてみたい人におすすめの価格帯
いかがだったでしょうか?
今回は実力派のブランドからエントリーレベルのブランドまで紹介させていただきました。
このクラスは、モデル選びを間違えなければ、長く満足して使えますしコスパが高くなります。
また、いきなり高額の時計を買うのは躊躇われるという方は、エントリーレベルの機械式時計をお試しで所有してみて、感覚を確かめてみるのも大いにありかと思います。
全3回にわたってお送りしてきた、「ブランド格付け」と各ブランドの簡単な紹介でした。
前々から自分のなかでこの表は作っていたのですが、本当は公開するつもりはありませんでした。
やはり、時計は嗜好品であり、人それぞれ考え方や価値観が違うので、こうして格付けというのはナンセンスだと思っていたからです。
しかし一方で、初めて時計を買う方に、各ブランドの特徴をなるべくわかりやすく紹介したいと考えた時に、この表を出すのが一番わかりやすいとの結論に至ったので、この記事を書くことにしました。
以下、その他のおすすめ記事を載せておくので、参考にしてみてください。
もしまだ腕時計選びで悩んだり、迷っているようでしたら「たったの3ステップで理想の腕時計を見つける方法」をまとめたので、これ読めば理想の時計にぐんっと近づくと思います。
ではまた!ありがとうございました。
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