『あの時計の評価ってどうなんだろう?』
時計の購入を検討してるとき、こんな風に思ったことはないですか?
そんな疑問を解決するために【時計の通知表】と題して、色んな時計を独自の観点でレビューしていきます!
第二回目は【セイコー SKX007】です。
この時計は、ロレックスのサブマリーナで機械式時計にハマった私が、海上勤務でも機械式時計時計が欲しい!という事で購入した思い出の時計です。
これを読めば、「セイコー SKX007」のことが360度マルっとわかるようになります!
目次
【時計の通知表】セイコー SKX007の評価は?
✔左欄: 評価対象の写真とその基本情報が載っています
✔右上欄: 「ブランド性」~「堅牢性/機能性」まで全10項目10点満点で評価しています
✔右下欄: 「堅牢性/機能性」の内訳です。全5項目2点満点で合計10点になります
✔右最下欄: 10項目の合計点(100点満点)と「堅牢性/機能性」を抜いた満足度%(ドレスウォッチなどは堅牢性面で不利なため設けた)
1. ブランド性: 私が作成した「腕時計ブランド格付け表」をベースに算出
2. 歴史/ストーリー: 対象時計のオリジナルモデルからの歴史の長さ・語れるストーリーの豊富さ
3. 外装/質感/ベルト: ベルトを含む外装の質感・仕上げの綺麗さ
4. ムーブメント/精度: ムーブメントの美しさ・精度・自社製かどうか
5. デザイン/サイズ: デザインの良さ・サイズ感の良さ
6. 操作感/心地良さ: 時計を付けた時の心地良さ・操作の簡単さ・心地良さ
7. 汎用性/使用範囲: 似合う服装の範囲・使用シーンの豊富さ。私が作成した「時計とドレスコード表」をベースに算出
8. コストパフォーマンス: 価格に対しての満足度
9. 資産価値: 購入価格or正規品と並行品の価格差・買取価格をベースに算出
10. 堅牢性/機能性: 内訳の総合点
10-1. 防水性: 30~50m防水で0.5点、200m防水で2.0点
10-2. 耐磁性: 4800A/mで1.0点、16000A/mで2.0点
10-3. 耐傷性: ステンレス、サファイヤガラス、セラミックなどで加点
10-4. 耐衝撃性: スペックや実体験で判断
10-5. 特殊機能: 基本的な機能以外に1個あれば1.0点、2個あれば2.0点
0. セイコー SKX007ってどんな時計?
セイコーSKX007は、セイコーのダイバーズウォッチの中で、最も安い機械式時計です。
日本では展開されておらず、海外で安く展開されています。 しかし、その作りは決して安価なそれではなく、価格以上の作りをしています。
そのコストパフォーマンスの高さと、使いやすい定番のデザインから、世界中で人気を博している時計です。
日本で作られ1万円ほど高い「SKX007-J1」と、海外製の「SKX007-K2」の二種類があります。
1. ブランド性: 6.5点
セイコーのブランド性は6.5点としました。
セイコーは低価格帯の王者と私は思っています。
低価格帯で、人気度・知名度・時計の質など総合力でセイコーの右に出るブランドはないと思います。
本当に色んな時計を作っているので、セイコーで揃わない時計はないのではないかと思う程。
極限の環境に挑戦する人向けのPROSPEXや、琺瑯など日本の伝統文化を時計に取り入れたプレザージュなど多彩なラインナップを展開しています。
それゆえに世界中にファンがいる、日本の宝のようなブランドです。
しかし、どうしても価格帯を中心とした階層では低めに位置してしまいます。
各ブランドのブランド性が気になる方におすすめの記事はコチラ。
2. 歴史/ストーリー: 8点
歴史/ストーリーは8点です。
SKX007は、1996年から発売されており20年以上の歴史を持ちます。
また、セイコーのダイバーズは海外で必ずニックネームがつけられるほどの人気者です。
このSKXシリーズは、セイコーダイバーズの中で、最も安い機種ということで、“ボーイ”というあだ名がつけられています。
SKX007は黒色なので【ブラックボーイ】という愛称です。
その他にも「オレンジボーイ」や「ネイビーボーイ」などがあります。
末っ子感あるニックネームで、より一層時計に愛着が湧きますよね。
私も海上勤務をするときは、このセイコーSKXをしているのですが、同じ時計をしている外国人を2人見かけて一気に仲良くなったことがあります。
また、海外の空港のIWCの正規店で時計を見ていたところ、店員さんに「いい時計してるね。ブラックボーイでしょ?俺はセイコーの”アルピニスト”を持っているよ!」と声を掛けられ、セイコー談義に花を咲かせたこともあります。
このように、安価で世界中にファンがいるところは素晴らしいですね。
ダイバーズの歴史をより詳しく知りたい方はこちら。
3. 外装/質感/ベルト: 7.5点
外装/質感/ベルトは7.5点です。
外装全体の質感は価格帯以上と感じます。
時計表面の処理は単一ではなく、場所によって分けており、安っぽさは感じません。
ベゼルのグリップ部の凹凸もブロックになっており握りやすいです。
ウレタンのベルトは、少し硬いものの着け心地が悪いという事はなく、及第点だと思います。
ダイバーズウォッチに相性が良く、水でさっと洗えて使い勝手が良いです。
針はこの価格帯らしく、ペラペラという感じがしますが、余程注意して見なければ気にならないです。
4. ムーブメント/精度: 7点
ムーブメント/精度は7点です。
セイコーSKX007に使われているムーブメントは、セイコーの兼価版ブランド「セイコー5」に搭載されている「7S26」というムーブメントです。
主な特徴は、
・デイデイト(日・曜日表示) ・誤差は日差-20秒~+40秒
・ハック機能なし
・手巻き機能なし
・パワーリザーブ40時間
ということで、必要最低限の機能といったところでしょうか。しかし、汎用品ではなく自社製です。
私は2年間使用しましたが、最初の1年半くらいは1週間でも誤差は1分も無かったです。
しかし、1年半がたったころから1週間に誤差が2~3分ほど出るようになり、SKX011(オレンジボーイ)に乗り換えました。
ハック機能や手巻き機能は、確かにあれば便利だなあと思ったこともありますが、無くても問題なく使用していました。
総合的に見ると、価格相応のムーブメントだと思います。自社製ということで、少し加点して7点としています。
5. デザイン/サイズ: 9点
デザイン/サイズは9点です。
SKX007のデザインはとても良いですね。
好きです。 奇をてらわず、ベーシックなダイバーズウォッチのデザインをしています。
インデックスはプリントで、シャープさはなく、角が取れて丸っこくなっています。
これが、”ブラックボーイ”の末っ子感を助長し、より魅力的に映ります。
それと、個人的に「SEIKO」のロゴがかっこいいと思っているので、時計を見るたびにちょっと見惚れます。
さらに、裏蓋には「波」の模様が描かれていて、これも嬉しいポイントで、高評価です。
サイズは42mmと平均的な大きさです。 ケースの形も丸みを帯びていて、個人的には好きな形です。
6. 操作感/心地良さ: 7点
操作感/心地良さは7点です。
やはり手巻き機能と、ハック機能が無いと操作性に劣ります。
しかしベゼルは120クリックもあり、価格以上の出来です。回し心地はオメガのシーマスターよりも好きです。
純正のウレタンベルトは、あまり心地良さはありません。NATOベルトに交換して使っています。
7. 汎用性/使用範囲: 7.5点
汎用性/使用範囲は7.5点です。
ダイバーズウォッチは上の表の通り、比較的合わせられるシーンが広いのですが、SKX007は、ラバーベルトのままではカジュアル傾向が強いので、マッチする範囲が少し狭まると思います。
一方で、NATOベルトに着せ替えるとグンっとおしゃれ度が上がって、業種によってはビジネスカジュアルでも行けると思います。
実際に時計愛好家や服飾業界ではNATOベルトにして楽しんでいる人や、「MOD」と呼ばれるパーツのカスタムを施して楽しんでいる人も多いようです。
NATOベルトはコチラのショップが種類もサイズも豊富でおすすめです。
メンズファッションと時計のマッチングについて詳しく知りたい方はコチラの記事がおすすめです。
8. コストパフォーマンス: 10点
コストパフォーマンスは10点満点です。
私は2017年3月頃に1.6万円程度で楽天で購入したので、コストパフォーマンスが高いと感じています。
サブマリーナもSKX007もどちらもコストパフォーマンスを10点としていますが、その理由は異なります。
サブマリーナは高級時計であり高額なため、期待のハードルがかなり高いです。それを飛び越えてくるのがサブマリーナ。
SKX007は「この価格でこんな時計作れるのか!」という感じです。
いずれにせよ、この価格でこれだけの出来を出せる時計はそうは有りません。最高のコストパフォーマンスだと思います。
9. 資産価値: 7.5点
資産価値は7.5点です。
私が購入した時は約1.6万円でした。
現在の価格は約2.8万円となっています。+1.2万円。175%の価格になっています。
調べてみて驚きました。価格が上昇しています。
原因を調べてみると、一時期生産終了の噂があったことや、最近セイコー5がリニューアルされたため、SKXシリーズの生産中止が近いのでは?という見方があることも一因のようです。
私の使っていた初代SKX007は弟に譲りましたが、売れば意外と元値近くにはなったのかもしれません。
単価は低いものの、上昇傾向の価格ということを鑑みて7.5点としました。
10. 堅牢性/機能性: 7点
堅牢性/機能性は7点です。
SKX007の堅牢性/機能性はまずまずといったところでしょうか。
それぞれの評価項目について見ていきましょう。
10-1. 防水性: 2点
防水性は2点満点です。
SKX007は200m防水を誇っています。
10-2. 耐磁性: 1点
耐磁性は1点です。
ダイバーズウォッチは、JIS第一種耐磁時計の要件を満たしています。
そのため、SKX007も4800A/mの耐磁性を持っていると考えられます。
10-3. 耐傷性: 1点
耐傷性は1点です。
特にセラミックやサファイアクリスタルなど傷に強い素材は使われていませんが、ステンレス製です。
金などの貴金属に比べれば、傷に強いと言えます。よって、1点としています。
10-4. 耐衝撃性: 2点
耐衝撃性は2点満点です。
スペック上では特に衝撃に強いという文言は見当たりませんが、ダイバーズウォッチということで、基礎的な耐衝撃性はあると思います。
そして私自身が、海上勤務の際に何度も激しくぶつけるシーンがあったのですが、問題なく稼働してくれていました。
実体験も加味して、2点としています。
10-5. 特殊機能: 1点
特殊機能も1点です。
ダイバーズには必須となっている逆回転防止ベゼルがついています。
しかもこの価格帯では通常60クリックのところ、120クリックになっているのが嬉しいポイントです。
【採点結果】総合点: 77点 満足度: 78%
「セイコー SKX007」の採点結果は………「総合点77点」「満足度78%」となりました!
もしかしたら低く感じるかもしれませんが、この1万円代で買えることを考えればかなりの高得点です。
これがもし1万円台にあわせた採点であれば、90点台には乗っているでしょう。
それくらい、価格に対する満足度が高く、コストパフォーマンスが高い名機だと思います。
世界中にファンが多いのも頷けます。 今後生産中止になる可能性もあり、価格も上昇傾向なので、買うなら今がチャンスだと思います。 今回採点した「SKX007」の最安店(楽天)はコチラです↓
あとがき
如何だったでしょうか?
私にとって、とても重要な時計「SKX007」を採点してみました。
2年間のタフな海上勤務で稼働し続けてくれ、今は弟に譲っています。
弟もかっこいいととても喜んでくれています。
今海上で使っている時計は「SKX011」通称: オレンジボーイです。 同じく海上で働くカナダ人の友人が譲ってくれたものです。
セイコーSKXのおかげで世界の人と繋がっています。
もしまだ腕時計選びで悩んだり、迷っているようでしたら「たったの3ステップで理想の腕時計を見つける方法」をまとめたので、これを読めば理想の時計にぐんっと近づけると思います。
これからも色んな時計を採点していきたいと思います。
この時計を採点してみて欲しいなどありましたら「問い合わせ」からコメント頂けたら嬉しいです。
それではまた!ありがとうございました。