『GMT、ワールドタイマーって何?』『おすすめモデルは?』
こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
そんな疑問を解決するため、本記事は【GMT、ワールドタイマーとは何なのか?おすすめモデル12選】を紹介します。
この1記事で、GMT・ワールドタイマーの全てを網羅的に学ぶことができます。
この記事を書いている僕は、腕時計愛好歴4年、有名雑誌の時計レビュー企画で1000通の中から大賞に選ばれたり、腕時計コンサルタントとして一人ひとりにぴったりの腕時計を見つけるお手伝いをしています。
僕は今でこそ、大の時計好きですが、初めの頃は「GMT・ワールドタイマーって何?」「どんなモデルがあるの?」とわからないことだらけでした。
そこから色々と調べて、私のGMTやワールドタイマーに関する知識をぎゅっとまとめたので、参考になれば嬉しいです。
目次
GMT・ワールドタイマーとは?
GMTとは、Greenwich Mean Time(グリニッジ・ミーン・タイム)の略で、グリニッジ標準時(世界標準時)のことを指します。
腕時計において、GMTとは、一言で言うと、第二地点の時間を表示できる機能のことです。
例えば、GMT機能を持つ腕時計は、東京とニューヨーク時間を見ることができます。
上の写真のように、「0,2,4…24」と書かれたベゼルや、24時間で一周する第三の針を持つことが特徴です。
一方、ワールドタイマーとは、その名の通り、1本の時計で、世界中の主要都市の時刻が一目でわかる機能を備えた時計です。
上の写真のように、文字盤の周りに世界中の主要都市が書かれているのが特徴です。
GMT・ワールドタイマーの歴史
GMTの歴史は、1884年にワシントンD.C.で開催された国際子午線会議で確立されたことに始まります。
これにより、ロンドンのグリニッジ天文台を通る経度0度を世界の標準時とし、経度15度ずつ1時間の時差を持たせることに決まります。
例えば、「経度0度のロンドンが0時の時、経度135度に位置している日本は+9時間の、午前9時である」という具合です。
この背景には産業革命などにより、鉄道網が世界中に発展し、人々が高速で移動できるようになった背景があります。
標準時が制定されるまでは、それぞれの駅が独自の時間を使っていました。そのため、それぞれの駅の間で僅かな時間のずれがありました。
この時間のずれがあったことで、鉄道事故が頻発するようになります。
それがきっかけとなり、各地域・ひいては世界で共通の時間を使用する必要があるという機運が高まり、グリニッジ標準時(世界標準時)が制定されました。
腕時計にGMT機能が初めて誕生するのは1952年のことです。
「グライシン」というブランドの「エアマン DC-4」という腕時計が初めて実装しました。
1952年、第二次世界大戦後、軍の輸送機が民間に払い下げられ、飛行機での海外旅行が発展しつつある時代にこの時計は生まれました。
大量に人員を輸送できる「DC-4」という飛行機は、主にアメリカ軍の輸送機として戦争に従事していました。したがって、旅客にはぴったりの飛行機で、多くのDC-4が民間旅客機として活躍しました。
そんな時、グライシンのセールスマンは自社製品のセールスのため、パンアメリカ航空のDC-4東南アジア便に乗っていました。
そこで彼にコックピットに入るチャンスが巡って来ます。そこで彼はパイロットに、どんな時計があれば役立つかをヒアリングします。これを走り書きでメモした彼は、急いで本社へこのメモを送りました。
このメモを元にして、出来上がった時計こそがこの「エアマンDC-4」です。
このエアマンDC-4は世界初のGMT機能を搭載した時計であり、世界中のパイロット、特にアメリカ軍のパイロットに愛されました。
一方、ワールドタイマーが腕時計に実装されたのは、もう少し前のことでした。
1938年、時計師ルイ・コティエ氏が発明した“コティエ式”の時計は、文字盤の周りに世界の主要都市が書かれ、優れた発明でした。
このコティエ式を腕時計に最初に取り入れたのが「パテック・フィリップ」でした。
GMT・ワールドタイマーの腕時計おすすめモデル12選
1. パテック・フィリップ「ワールドタイム」
1本目はパテック・フィリップのワールドタイムです。
2000年以降3世代に渡って発表されていますが、いずれのモデルでも良いと思います。
世界で初めてワールドタイムを腕時計に導入した歴史的時計の系譜です。
ブランド性も資産価値も、時計としての魅力もずば抜けた時計だと思います。
2. ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ デュアルタイム」
世界三大時計の一角であるヴァシュロン・コンスタンタンのスポーツウォッチ、オーヴァーシーズのデュアルタイムモデル。
第三の針、そしてAP/PMを示す針により、二地点の時刻が同時にわかります。
このオーヴァーシーズは、ヴァシュロン・コンスタンタンがトラベラーのために作った時計であり、耐磁性や防水性など高い耐久性を誇ります。
まさに、世界を飛び回るトラベラーにぴったりな時計だと思います。
オーヴァーシーズについて詳しく書いている記事はコチラ→万能な高級時計が欲しい人へ!ラグスポ時計の選び方とおすすめ10選
3. ロレックス「GMTマスターⅡ」
ロレックスならではの精度の高さ、仕上げの良さ、頑丈さ、資産価値は数あるGMTの中でも随一でしょう。
サイズは40mmとベストサイズ、防水性も100mとパイロットウォッチの中では高く、非常に使いやすいモデルです。
GMTマスターⅡの特徴のひとつは、ベゼルのカラーリングにあります。
これは、二か国目の時間が昼か夜かを判断する為に、2色で色分けしています。その色のパターンによって、”ペプシ”や”コーク”、”バッドマン”などニックネームがファンによって名付けていて、面白いな~と思います。
ロレックスの他のスポーツモデルと同じく、このGMTマスターⅡも値が下がりにくく、中古でも定価以上の値段というものも多いです。
海外に関わることが多い方や、頑丈かつ資産価値のある時計が欲しい方におすすめの時計です。
ロレックスの素晴らしさについてはコチラをご覧ください→なぜ、最初の高級時計にロレックスが最適か?5つの理由とおすすめモデル紹介
4. ジャガールクルト 「レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド」
ジャガールクルトの看板モデルである「レベルソ」は、表と裏で二つの顔を持ちます。
それぞれ別々の時間を設定できるので、一つは日本、一つは旅行先など二地点の時刻を設定できます。
しかも操作は、文字盤をひっくり返すだけ。
歴史的名作であり、同社のアイコン的存在のレベルソは、知的な雰囲気を醸し出しているので、紳士にとてもおすすめの一本です。
個人的には、レベルソを世界の歴史的名作12本に選んでいます→【名作に宿る歴史と物語】生涯付き合える大定番の傑作腕時計12選
5. グランドセイコー「SBGM221」
グランドセイコーのGMTモデルです。
グランドセイコーの時計はとにかく綺麗に磨かれていて、ピカピカに光ります。
ドレッシーで綺麗な時計が欲しい人や、スーツで使う時計が欲しい人におすすめです。
グランドセイコーについて熱く語っている記事はコチラ→知ってた?あの有名時計ブランドのロゴと誕生秘話ベスト5
6. オメガ「シーマスター 600 プラネットオーシャン GMT」
ジェームズボンドも使っている、オメガのダイバーズウォッチの名作シーマスターのGMTバージョンです。
そのため、防水性が600mとずば抜けています。
さらに同社自慢のコーアクシャルムーブメントを使っており、耐磁性は時計界トップレベル、オーバーホール周期も従来の二倍となっています。
しかもクロノメーター規格も通しており、精度も高いです。
それこそ海の中でも、ジャングルでも、山岳でも、世界中どこでも頼れるパートナーとなるでしょう。
最強スペックの時計が欲しい人におすすめの時計です。
シーマスターについて詳しく書いている記事はコチラ→ロレックス サブマリーナ 対 オメガ シーマスターダイバー300M【比較レビュー】
7. ブライトリング「ナビタイマー8 ユニタイム43」
パイロットウォッチの雄ともいえるブライトリングのワールドタイマーです。
アラビア数字で視認性が高く、ミリタリーな雰囲気がいいですね。
▽のついた回転ベゼルもパイロットウォッチであることを感じさせてくれます。
さらにクロノメーター規格で、精度の高さも保証されています。
パイロットウォッチやミリタリーものが欲しい人におすすめです。
パイロットウォッチについて詳しく書いている記事はコチラ→パイロットウォッチとは?選び方とおすすめベスト10【ロマンある時計】
8. IWC「パイロットウォッチ タイムゾーナー」
パイロットウォッチ製造の歴史の長いIWCのワールドタイム時計です。
この時計は、ユニークで、ベゼルを回転させることで時刻を調整できる優れものです。
IWCは英国空軍やドイツ空軍に時計を納入していた歴史があり、この時計もミリタリー感を感じますね。
硬派でミリタリーな雰囲気がとてもカッコいいです。45mmと大きく、分厚いので、体格が良い方におすすめです。
IWCについて詳しく書いている記事はコチラ→人と違う腕時計が欲しい人へ!時計愛好家も唸る通な時計ブランド5選
9. チューダー「ヘリテージ ブラックベイ GMT」
ロレックスの弟分であるチューダー。
ロレックス譲りの使い心地の良さ、耐久性の高さがウリです。
防水性は200mと必要十分以上、サイズも41mmと使いやすいです。
このモデルは、ヘリテージシリーズということで、どこかクラシカルさを感じる時計です。そのため、何歳でも似合うでしょう。
耐久性と使いやすさ、クラシカルさ、価格など全てが高バランスでまとまっている良作です。
10. ジン「857」
ジンというブランドは、時計好きでもなかなか知る人は少ないと思います。
それもそのはず、彼らは売り上げのほとんどを広告費ではなく、研究・開発費に充てているため、認知度は低いのです。
しかし、究極の計器としての時計を日々開発しているドイツのブランドです。正式名称はSinn特殊時計会社。
その名の通り、他のブランドでは実現できないような特殊機能を研究・開発し、時計に落とし込み、世界各国の特殊な環境で働く者たちの心強いパートナーとなっています。
創業社のヘルムート・ジン氏はドイツ空軍のパイロットであったことから、パイロットウォッチには特に熱心でした。
ここで紹介する「857」は、ジンの技術の粋(以下に列挙)を集めながら、比較的求めやすい価格に抑えられており、さらにGMT機能で二国間の時間が同時にわかるので非常に機能的です。
・マグネチック・フィールド・プロテクション
・テギメント加工
・特殊結合方式の航空用回転ベセル
・Arドライテクノロジー
それぞれの機能の説明はコチラ→857のスペック(Sinn公式サイト)
11. ハミルトン「ジャズマスター GMT」
今回紹介している中で最も安価な時計です。
やはり海外旅行に高級時計を持っていくのは少し怖いという方におすすめの時計です。
また、ビジネス向きのスマートなデザイン、綺麗なシルバーなので、ビジネスシーンでも嫌みがなく活躍するでしょう。
こちらも合わせてご覧ください→20,30代必見!10万円で買えるおすすめ腕時計10選【2020年版】
12. グライシン「エアマン DC-4」
1952年、第二次世界大戦後、軍の輸送機が民間に払い下げられ、飛行機での海外旅行が発展しつつある時代にこの時計は生まれました。
大量に人員を輸送できる「DC-4」という飛行機は、主にアメリカ軍の輸送機として戦争に従事していました。したがって、旅客にはぴったりの飛行機で、多くのDC-4が民間旅客機として活躍しました。
そんな時、グライシンのセールスマンは自社製品のセールスのため、パンアメリカ航空のDC-4東南アジア便に乗っていました。
そこで彼にコックピットに入るチャンスが巡って来ます。そこで彼はパイロットに、どんな時計があれば役立つかをヒアリングします。これを走り書きでメモした彼は、急いで本社へこのメモを送りました。
このメモを元にして、出来上がった時計こそがこの「エアマンDC-4」です。
このエアマンDC-4は世界初のGMT機能を搭載した時計であり、世界中のパイロット、特にアメリカ軍のパイロットに愛されました。
ベトナム戦争では、官給品ではなく、自腹でこのエアマンを買って使用するパイロットが多くいたほどです。
グライシンはこの歴史的な時計を、当時のデザインを忠実に再現し、42mmケースに収めて復刻しています。
値段も比較手を出しやすく、歴史的な一本としておすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、腕時計のGMT・ワールドタイマーとは?おすすめモデル12選を紹介してきました。
もう一度おさらいすると、
- パテック・フィリップ「ワールドタイム」
- ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ デュアルタイム」
- ロレックス「GMTマスターⅡ」
- ジャガールクルト 「レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド」
- グランドセイコー「SBGM221」
- オメガ「シーマスター 600 プラネットオーシャン GMT」
- ブライトリング「ナビタイマー8 ユニタイム43」
- IWC「パイロットウォッチ タイムゾーナー」
- チューダー「ヘリテージ ブラックベイ GMT」
- ジン「857」
- ハミルトン「ジャズマスター GMT」
- グライシン「エアマン DC-4」
僕もしょっちゅう海外にいるので、一本は欲しいなと思っているジャンルの時計です。
海外出張や旅行が多い人、海外と一緒に仕事をする人はもちろん、米国株をしている人にもおすすめです。
ニューヨーク市場に時間をセットしていても使いやすそうですよね。
文字盤の世界中の都市を眺めて、海外に想いを馳せてもいいです。笑
意外と色んな使い方ができる、GMTとワールドタイマー、ぜひ検討して見て下さい。
それではまた!ありがとうございました!
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