日経平均株価と時計平行価格の関係を調べて分かった10の傾向【景気と時計】

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2019年12月に中国武漢で発見された新型コロナウイルス。はじめは、へーそうなんだくらいにしか思っていませんでした。

ところが2020年に入り、徐々に世界中に広がり始め、2月にはパンデミック、3月・4月には世界中でロックダウンや緊急事態宣言など数カ月前からは全く予想できなかった世界になっていますね。

新型コロナの影響で、経済活動が縮小し、株価にも多大な影響を与えています。

僕は 【下げ止まりか】ロレックス他人気時計の最新並行価格まとめ6にもあるように、毎週金曜日に人気腕時計の並行価格を定点観測してます。

そして、そこで徐々に下落幅が小さくなっていることに気づき、日経平均株価と何か関連性はないか?と気になり、調べることにしました。

そこで今日は、日経平均株価と時計平行価格の関係を調べて分かった10の傾向を、記事にしたいと思います。

今回は、【ロレックスのステンレススポーツモデル各種】【ノーチラス】【アクアノート】【ロイヤルオーク】【オーヴァーシーズ】など合計10本の合計金額の推移と、日経平均株価の推移を比較してみました。

なお、基準日は今年の年始ということで、2020年1月3日とし、今回の調査は一週間ごとに観測したデータを用いています。

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日経平均株価と時計平行価格の関係を調べて分かった10のコト

2020年以降 日経平均株価と人気時計10本の価格推移

まず結論から、これまでと今回の調査でわかった10のコトを列挙していきます。

  1. 並行価格が元々定価割れしている時計は、景気(=日経平均株価)の影響の有無に差がある
  2. 並行価格が定価以上=プレ値の付いているモデルは景気の影響を受けやすい
  3. プレ値率が高い時計程、乱高下しやすい
  4. 日本の二次市場に1本しかない時計は景気の影響を受けにくい
  5. 時計の並行価格は日経平均株価ほど乱高下しない
  6. 日経平均株価は1月17日をピークに、時計の並行価格は2月7日をピークに下落トレンド
  7. 日経平均株価は3月20日を底に上昇トレンド、時計の並行価格は4月10日が底に見える
  8. 時計の並行価格の3月13日以降徐々に小さくなり、4月10日→17日ではほぼ0に
  9. その時の価格は新型コロナ騒ぎが大きくなる前の価格とほぼ同じ
  10. 日経平均株価が時計の並行価格に影響を及ぼすのは2~3週間後程度か

いずれも2020年に入ってから以降のデータのみを参考にしたものです。

次にそれぞれ詳しく見ていきます。

1. 並行価格が元々定価割れしている時計は、景気(=日経平均株価)の影響の有無に差がある

上のスピードマスタープロフェッショナルの並行価格は約41万円(2020年4月18日現在)、定価は約60万円です。

つまり並行価格はプレ値ではありません。

上のグラフを見ると、コロナショックの影響を受けていないように見えます。

一方で、同じ日(2020年4月18日現在)に同じくオメガから、シーマスターの並行価格のグラフを調べてみました。

すると、上のように、2020年2,3月から下落していますよね。コロナショックの影響を受けているように見えます。

このように、並行価格が定価より下=プレ値が付いていないモデルは、コロナショックの影響を受けていたり、受けていなかったり差があるということが分かります。

オメガ, IWC, タグホイヤー他の並行価格トレンド調査まとめ【コロナ後】で書いた通り、10本調べたところ、コロナショックの影響の有無は五分五分でした。

これに対して、プレ値が付いているモデルは9割方、コロナショックの影響を受けているように見えます。

詳しくはコチラ→【下げ止まりか】ロレックス他人気時計の最新並行価格まとめ6

2. 並行価格が定価以上=プレ値の付いているモデルは景気の影響を受けやすい

2020年4月3日版

上の表は、2020年4月3日時点での人気時計10本の並行価格の状態を表したものです。

「定価との価格比」を見てほしいのですが、全てのモデルで定価以上の価格=プレ値が付いています。

そして「2月末との価格比」をみると、10本中9本がコロナショックの影響を受けて下落していますね。

つまり、一番目と合わせてまとめると、プレ値が付いていない時計に比べて、プレ値が付いている時計は景気の影響を受けやすいということがわかります。

3. プレ値率が高い時計程、乱高下しやすい

2020年4月3日版

2番と同じ表を見たいと思います。この表の右側のプレ値順位、下落順位を見て下さい。

これを見ると、基本的にはプレ値率が高いほど、下落率が大きいことが分かります。特にノーチラスに顕著ですよね。

つまり、プレ値率が高い時計ほど、乱高下しやすいと言えると思います。

4. 日本の二次市場に1本しかない時計は景気の影響を受けにくい

2020年4月17日版

上の表は、並行価格が定価より高くなっている=プレ値が付いている人気時計10本の価格推移をまとめた表です。

ほとんどコロナショックの影響を受けて下落している中で、1本だけ全く価格が下がっていない時計があります。

それがオーヴァーシーズです。

上の10モデルの中で、オーヴァーシーズだけは購入可能なのが1本だけでした。

そのため、同モデルで価格競争が起きず、強気に価格を維持できるのではないでしょうか。

5. 時計の並行価格は日経平均株価ほど乱高下しない

上の表は、2020年1月3日から1週間おきに日経平均株価(青)人気腕時計10本合計金額(オレンジ)プロットしたものです。

それぞれ先週の値に対して、今週が何パーセントの値になっているか表しています。

これを見ると、日経平均株価(青)は乱高下しているのに対して、気腕時計10本合計金額(オレンジ)は乱高下が緩やかであることが分かります。

そして、何となく日経平均株価のトレンドをフォローしているようにも見えますね。

ちなみに、それぞれ10本を表にしたものは以下になります(グラフにしたらぐちゃぐちゃで見にくかったので省略します)。

6. 日経平均株価は1月17日をピークに、時計の並行価格は2月7日をピークに下落トレンド

上の表は、2020年1月3日から1週間おきに日経平均株価(青)人気腕時計10本合計金額(オレンジ)プロットしたものです。

それぞれ基準日(2020年1月3日)に対して、何パーセントの値になっているかを表しています。

これを見ると、日経平均株価は1月17日をピークに、時計の並行価格は2月7日をピークに下落トレンドに入っていることがわかります。

ちなみに、それぞれ10本を表にしたものは以下になります(グラフにしたらぐちゃぐちゃで見にくかったので省略します)。

7. 日経平均株価は3月20日を底に上昇トレンド、時計の並行価格は4月10日が底に見える

これも6番と同じ表です。それぞれ下降トレンドに入っていましたよね。

しかし、日経平均株価は3月20日を底に上昇トレンド、時計の並行価格は4月10日が底に見えます。

8. 時計の並行価格の3月13日以降徐々に小さくなり、4月10日→17日ではほぼ0に

これは5番と同じ表です。

一番注目したいのが、時計の合計で、4月17日が100%をつけているところです。

これはつまり、4月10日と17日で変化がないところです。

振り返れば、3月13日以降、徐々に下落幅が小さくなっていることが読み取れ、4月17日にはついに下落が止まりました。

一方で株価は上昇トレンドです。時計の方はどうなるか、来週にかけて非常に注目です。

9. その時の価格は新型コロナ騒ぎが大きくなる前の価格とほぼ同じ

これは7番と同じ表です。

4月17日の時計の価格合計は、どれくらいの位置なのか?というと、基準日の2020年1月3日とほぼ同じ(99.5%の)価格です。

これはコロナが世界に広がり始める前と同じ水準ですね。

10. 日経平均株価が時計の並行価格に影響を及ぼすのは2~3週間後程度か

この表を見ていると、日経平均株価が時計の並行価格に影響を及ぼすのは2~3週間後程度のように見えます。

例えば、日経平均株価は1月17日をピークに下降トレンドに入り、時計の並行価格はその3週間後の2月7日をピークに下落トレンドに入っています。

また、日経平均株価は3月20日を底に上昇トレンドに入り、時計の並行価格はその3週間後の4月10日が底のように見えます。

ただし、これはあくまで3カ月程度の局所的なレンジなので、長い視点で見れば異なる可能性があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

新型コロナ発生後の日経平均株価と時計平行価格の関係を調べて分かった10の傾向について書いてみました。

まとめると…

  1. 並行価格が元々定価割れしている時計は、景気(=日経平均株価)の影響の有無に差がある
  2. 並行価格が定価以上=プレ値の付いているモデルは景気の影響を受けやすい
  3. プレ値率が高い時計程、乱高下しやすい
  4. 日本の二次市場に1本しかない時計は景気の影響を受けにくい
  5. 時計の並行価格は日経平均株価ほど乱高下しない
  6. 日経平均株価は1月17日をピークに、時計の並行価格は2月7日をピークに下落トレンド
  7. 日経平均株価は3月20日を底に上昇トレンド、時計の並行価格は4月10日が底に見える
  8. 時計の並行価格の3月13日以降徐々に小さくなり、4月10日→17日ではほぼ0に
  9. その時の価格は新型コロナ騒ぎが大きくなる前の価格とほぼ同じ
  10. 日経平均株価が時計の並行価格に影響を及ぼすのは2~3週間後程度か

経済や時計に詳しい詳しい人は既に知っていたことかもしれませんが、ずぶずぶの素人の僕としては、割と新鮮な発見でした。

本当は、もっと長期的なデータを獲れれば良いのですが、非常に作業量が膨大で断念し、今回は新型コロナが表面化してきた2020年初頭以降に絞りました。

その短期間でわかったことなので、過去の事例(例えばリーマンショック時)とは異なるかもしれないことを念頭に入れといて頂いて、へーそうなんだくらいに思っていてもらえればと思います。

それではまた!ありがとうございました!

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RY
年の半分以上を海外で過ごすアラサー。26歳の時に初めて機械式時計を買ってから時計の世界にどっぷりとハマる。2018年有名高級時計雑誌クロノスにて「ワナバイウォッチグランプリ コメント大賞」受賞。2019年ブログ「腕時計のある人生」開設。好きなものは時計、クルマ、バイク、スーツ、靴、野球、浦和レッズ、映画、アニメ、クラシカルなもの、テラス席。YoutubeとTwitterもやってます。