先日仕事用の時計としてG-SHOCK G-LIDE GBX-100を購入したのでレビューしようと思います。
端的にいうと、これは”G-SHOCKとスマートウォッチのハーフ”であり、最強のG-SHOCKスマートウォッチです!!!
目次
【最強のスマートウォッチ】G-SHOCK G-LIDE GBX-100の開封レビュー
1. ブランド性: 私が作成した「腕時計ブランド格付け表」をベースに算出
2. 歴史/ストーリー: 対象時計のオリジナルモデルからの歴史の長さ・語れるストーリーの豊富さ
3. 外装/質感/ベルト: ベルトを含む外装の質感・仕上げの綺麗さ
4. ムーブメント/精度: ムーブメントの美しさ・精度・自社製かどうか
5. デザイン/サイズ: デザインの良さ・サイズ感の良さ
6. 操作感/心地良さ: 時計を付けた時の心地良さ・操作の簡単さ・心地良さ
7. 汎用性/使用範囲: 似合う服装の範囲・使用シーンの豊富さ。私が作成した「時計とドレスコード表」をベースに算出
8. コストパフォーマンス: 価格に対しての満足度
9. 資産価値: 購入価格or正規品と並行品の価格差・買取価格をベースに算出
10. 堅牢性/機能性: 内訳の総合点
10-1. 防水性: 30~50m防水で0.5点、200m防水で2.0点
10-2. 耐磁性: 4800A/mで1.0点、16000A/mで2.0点
10-3. 耐傷性: ステンレス、サファイヤガラス、セラミックなどで加点
10-4. 耐衝撃性: スペックや実体験で判断
10-5. 特殊機能: 基本的な機能以外に1個あれば1.0点、2個あれば2.0点
11. 総合点: 10項目の合計点(100点満点)
12. 機能性抜きの満足度%: 「堅牢性/機能性」を抜いた満足度%(ドレスウォッチなどは堅牢性面で不利なため設けた)
1. ブランド性: 6点
上の格付け表の通り、カシオはエントリー級のブランドと私は格付けています。
カシオは1946年「樫尾製作所」、部品の加工の会社として創業されます。
樫尾製作所は様々な製品を製作しましたが、特に有名なのは世界初の小型純電気式計算機「14-A」(1957年)です。
「14-A」はリレーと呼ばれる継電器を使用した世界初の小型純電気式計算機です。従来の事務用計算機には歯車が使われており、1回の乗除算にかかる時間は平均して10秒程度。さらに歯車を電動で高速回転させるため、騒音が発生してしまうという問題も抱えていました。しかし、「14-A」はわずか341個のリレー素子で14桁の四則演算を実現。本体の大きさもオフィスに設置できる机サイズとすることに成功しました。歯車式と比べると、10秒程度かかっていた乗除算も5〜6秒程度と早く、音も静かでした。また、当時の計算機では桁ごとに0から9までの数字キーが並ぶ“フルキー方式”が常識だった中で、現代の電卓と同様の“テンキー”を採用。ユーザビリティを考慮しながら、計算の効率化と省力化を果たしました。(引用: カシオHP)
この14-Aの開発を機に同年(1957年)、現在のカシオ計算機株式会社が設立されます。
その後も続々と計算機・電卓・タイプライターなどを開発、どんどんと成長していきます。
そして、1974年、ついにカシオから初めての腕時計「カシオトロン QW02」が誕生。
カシオトロン「QW02」は、カシオが発売した初めての腕時計です。当時は、機械式時計からクオーツ式へと切り替わる技術変革期。電卓業界でトップの座を不動のものとしたカシオは、新規事業として時計業界への進出を決定します。「QW02」は、“完全自動腕時計”という開発思想により、時・分・秒の表示はもちろん、大の月・小の月を自動的に判別する世界初のオートカレンダーを搭載していました。従来の腕時計を使用する場合は、月が替わった日にカレンダーの日付を直す必要がありましたが、この手間を省くことに成功したのです。その後、閏年の2月29日まで自動判別を可能にしたフルオートカレンダーの腕時計も実現します。(引用: カシオHP)
1976年には、ストップウォッチ機能やワールドタイム機能を備えた「X-1」が誕生。
そして1983年、ついに「初代G-SHOCK DW-5600C」が誕生し、現在に至るまで世界中で愛される名シリーズとして成長していきます。
このように、時計専業ブランドではないですし、歴史も時計業界で見れば浅いでしょう。
しかしG-SHOCKという歴史に名を残す腕時計を誕生させた功績は本当に素晴らしいと思います。
カシオの社是は「創造 貢献」で、これは「世の中になかったものを創造することによって社会に貢献する」という意味ですが、まさにその通りの歴史を持つブランドでしょう。
各ブランドのブランド性が気になる方におすすめの記事はこちらです→1記事でわかる!時計ブランド44社の特徴と格付け 2020年度版
2. 歴史/ストーリー: 9.5点
歴史/ストーリーは9.5点です。
G-SHOCKの開発担当者である伊部菊雄さんの開発秘話は、ネット上でたくさん出て来るので、ここでは簡潔にまとめたいと思います。
カシオに入社した伊部さんはある日、会社で人にぶつかって腕時計がスルリと床に落ち、見事にバラバラになってしまったそうな。
当時腕時計の設計をしていた伊部さんは、毎月提出しなければならない「新技術・新商品提案」というものに、紙にひとこと「落としても壊れない丈夫な時計」とだけ書いて出した。
それが何故か通ってしまい、実験がスタートすることに。1981年6月のことです。
伊部さんは、時計を持って社屋の3階に行き、トイレの窓からひたすらに時計を落とし続け(200~300回)、壊れてはゴムを巻き、壊れてはゴムを巻き…。
ようやく壊れなくなった頃には、ソフトボール大の大きさになっていたそうです。
ただ、それでは商品にならないと、全く別の手法で取り組むことに。
しかしどうしても、どこかのパーツが壊れてしまう。そうしているうちに、月日ばかりが流れ、ついにはどうやって会社を辞めようか考えるようになったそうです。
考えた結果、「あと一週間、24時間×7日間考えてダメだったら終わりにしよう」と腹を括ります。
しかし月曜日〜金曜日まで考えてみても結局ダメで、金曜日の夜には謝る言葉を考えたり、辞表を書こうともしていたそうです。
そしていよいよ日曜日、最後の日です。
伊部さんは会社に行き、辞めるつもりで身の回りの片付けをしながらも、何故か実験をしていたそうです。
お昼を食べに外に出たのですが、真っ直ぐに会社に帰りたくなくて、ふらりと公園に立ち寄り、ベンチでぼんやりとしていそうです。
目の前には元気な子供。まりつきをしていたそうです。そのまりつきを見つめていたところ、突然ふとあるイメージが湧き起こります。
ボールの中に時計が浮いているイメージです。
もし時計がボールの中に浮いていれば、衝撃が時計に伝わらないから、高さ100mから落としても壊れない!
そう閃いた伊部さんは、時計の心臓部を擬似的に宙吊り状態にする構造を開発し、初代G-SHOCKが1983年4月に誕生することになりました。
今や世界中至る所で、老若男女に愛されている時計G-SHOCKは、たった一言の企画書から誕生し、トイレの窓から育てられ、退社寸前、ふらり立ち寄った公園の閃きでブレイクスルーを起こした。
非常に面白いストーリーですよね。
世界には、ブレゲやジェラルド・ジェンタ、ジョン・ハリソンなど伝説的な偉人がいますが、伊部さんのストーリーはなんとも日本的で、共感できるところが多く、心に刺さりました。
そんな経緯を経て誕生したG-SHOCKは世界を変えた腕時計の一つに数えられると思います。
このG-SHOCK G-LIDE GBX-100は、G-SHOCK初号機のアイコニックなスクエアデザインを踏襲し、正統な血統でありながら様々な機能を搭載した最新機種になっています。
3. 外装/質感/ベルト: 8点
外装や質感は8点といったところでしょうか。
ベゼルはサテン仕上げのステンレスで、質感の高さを感じることができます。
また、ベゼルの側の処理も丁寧で、見ていて気持ちいいです。
その他樹脂製のケースやベルトも非常に凝った造形になっており、肌触りもすべすべして気持ちいいです。
ただ、ベルトを止めの中に、ベルトが緩まないための滑り止めが付いており、外す際に手間がかかります。
もともとこのモデルはサーファーのために作られたということもあり、その点はきっちりしていてい良いのですが、その他の方にとっては一手間面倒かもしれません。
4. ムーブメント/精度: 10点
ムーブメント/精度は10点です。
クォーツ式なので、平均月差+/-15秒となっています。さらにBlue toothでスマートフォンと連携すれば、誤差は修正されるようです。
いつも機械式時計ばかりをみているので、驚異的に感じますね笑
いつ手にしても正確な時間を刻んでいるという安心感が半端じゃないです。
5. デザイン/サイズ: 9.5点
デザイン/サイズは9.5点です。
個人的に、数あるG-SHOCKの中でも一番気に入っているデザインです。
初代G-SHOCKのDW-5600Cの流れを組むスクエアなデザインはやはりかっこいいですね。歴史があり、色あせないデザインです。
それに加え、ベゼルをサテン仕上げにしたステンレスにした点が素晴らしいと思います。
また、反転液晶の画面は従来のモデルよりも数字が大きく、高い視認性を持っています。
唯一、サイズは従来のモデルより1.5回りほど大きくなっており、幅46mm、厚さ14.7mmと大きく感じる人もいるかもしれません。
腕回り16.5cmの私は、そこまで気になりませんね。66gと、
6. 操作感/心地良さ: 7.5点
操作感/心地良さは7.5点です。
まずつけ心地は良いと思います。
普段重たい機械式をしているので、とても軽く、病みつきになってしまいそうです。汗
ベルトもしなやかで、すべすべしており快適です。
ただ、やはりどうしてもボタンの操作感に慣れません。
例えば、機械式のクロノグラフでは、ボタンを押す感覚がソリッドで、ボツっと剛性感があり、ボタンを押してからすぐに針が動き出します。
一方で、G-SHOCKシリーズは、ボタンの押し心地がフワッとしており、ボタンを押してから動作が始まるまでに、ごく僅かなタイムラグがあります。
普段からG-SHOCKを使っている方はなんとも思わないかもしれませんが、機械式時計から移行すると、違和感を感じました。
慣れの問題だと思うので、1ヶ月も使えば慣れると思います。
7. 汎用性/使用範囲: 7.5点
汎用性/使用範囲は、7.5点としました。
上の表の通り、G-SHOCKのメインシーンはアウトドアやカジュアルだと思います。
分厚く、ゴツゴツしているので、襟付きのフォーマルシーンには似合いにくく、ビジネスカジュアルまでが精一杯だと思います。
メンズファッションと時計のマッチングについて詳しく知りたい方はコチラの記事がおすすめです→腕時計をおしゃれに着けこなすコツ【メンズの腕時計と服装の合わせ方】
8. コストパフォーマンス: 10点
コストパフォーマンスは、10点としました。
定価は税込み24000円程度ですが、私は楽天でポイントバックもあり17000円程度で購入できました。
後ほど、搭載機能の紹介をしますが、これほどの機能とスペックがありながら20000万円程度で買えるというのは、コスパ良すぎると思います。
上に楽天のリンクを貼っておきます。
最近物凄い人気になっており、数が少なくなっているようですので、狙っている方は早めにアクションした方がいいかもしれません。
正規品と並行品のメリット・デメリットが知りたい方は、コチラの記事がおすすめです→腕時計の正規品と並行輸入品の違いとは?ネットで買うのはありか?
9. 資産価値: 5点
資産価値は5点としました。
クォーツ式の量産型腕時計ですので資産価値は望めないと思います。
また、登場してすぐですので、廃盤ということはないでしょう。
仮に将来廃盤になったとしても、電子パーツが多く修理の難しいクォーツ式は永続性が低く、どうしても使い捨て、日用品の傾向が強くなっています。
オリジナルモデルのG-SHOCKであれば、歴史的意義も深いですが、こちらのモデルはオリジナルではないので、その点からも価値は低いと思います。
したがって、あくまで最強の日用品、最強のツール時計として買うのが良いでしょう。
10. 堅牢性/機能性: 9点
10-1. 防水性: 2点
防水性は2点。
200m防水です。G-SHOCKの伝統ですね。
10-2. 耐磁性: 2点
デジタル式クォーツ時計なので、磁気の影響は受けません。よって2点としています。
10-3. 耐傷性: 1点
耐傷性は1点です。
ベゼルはステンレス製、風貌は無機ガラスを使用しています。無機ガラスは、ミネラルガラスを特殊強化処理をしたガラスで、傷は付きにくくなっています。
ちなみに、SEIKOはハードレックス、CITIZENはクリスタルガラス、CASIOは無機ガラスとそれぞれ違う名前で呼んでいますが、同じ材質のようです。
10-4. 耐衝撃性: 2点
耐衝撃性は2点です。
ショックレジスト構造になっています。G-SHOCKのお家芸でしょう。
10-5. 特殊機能: 2点
特殊機能は2点です。
搭載されている機能は以下の通りです。
どうでしょう、これほどの機能が詰まっています。
機械式時計風言えば、
・パーペチュアルカレンダー
・トゥールビヨン
・ミニッツリピーター
・スプリットセコンド・クロノグラフ
・ムーンフェイズ
・ワールドタイム&GMT
・タイドグラフ
という驚異的なグランドコンプリケーションウォッチです。笑
これを機械式時計で実現するとすれば、何千万円では収まらないでしょう。それほどの機能がたったの2万円前後で手に入るのだから恐ろしいです。
しかも200m防水、耐磁・耐衝撃構造で、クロノメーター以上の精度…。
機械式時計でこれ全て実現すれば、まさにゴッドアイテムとなるでしょう。
私的に特に注目したのが、
・ワールドタイム
・ムーンフェイズ
・タイドグラフ
・日出没
・ストップウォッチ
・200m防水
です。
このモデルは、サーファーのために作られたというだけあって、海に関わる人にとって欲しい機能がギュッと凝縮されています。
月の満ち欠けを表すムーンフェイズは潮の満ち引きを知るために必要ですし、ご丁寧にそれを見やすく、グラフで表示するタイドグラフが付いています。
さらに日出没もわかるのが嬉しいですね。学生時代はよく緯度経度から電卓で計算したものです。笑
それに合わせて旗をあげたり降したり、灯火をつけたり消したりします。
この時計では、スマートフォンの専用アプリとリンクして、世界3300箇所の港からデータを転送できるようになっています。
ワールドタイムも自動で、その国の標準時に合わせてくれるのがいいですね。今まで使っていた機械式時計は自分で合わせていました。
200m防水も海で働く者には必須ですね。海に潜らなくても、夏の海上は湿度98%になることもあります。
ストップウォッチも作業時間を測るのにとても重要です。
また、トレーニング機能やライフログデータも搭載しており、健康管理に活躍しそうです。
その他、メールやLINE、着信も知らせてくれて、この時計で中身を見ることもできてしまいます。
完全なスマートウォッチとまでは行きませんが、これだけ機能があれば十分スマートウォッチと言えるのではないでしょうか?
このG-LIDE GBX-100は、まさにG-SHOCK×スマートウォッチのハーフで、両者の素晴らしい遺伝子を引き継いだ”最強のG-SHOCKスマートウォッチ“だと思います。
【採点結果】G-SHOCK G-LIDE GBX-100の総合点: 82点
「クラシック・コスモノート」の採点結果は…「総合点82点」「堅牢性/機能性抜き満足度 81%」となりました!
歴史/ストーリー、精度、デザイン、コストパフォーマンス、堅牢性/機能性が素晴らしい時計ですね。
一方で、ブランド性、操作感、使用範囲、資産価値は弱いところかなと思います。
したがって、最強のツールウォッチとして、タフなシーンで活用すると、G-SHCOKの良さを存分に引き出すことができると思います。
特に、私のように海に携わる方には、最高の時計ではないでしょうか?それほど、嬉しい機能がギュッと凝縮しています。サーフィンや釣りが趣味な人にもとてもおすすめです。
いずれにせよ、これほどカッコよく、歴史があって、機能が詰まった時計が2万円前後で買えることに感謝してもしきれません。それくらいコスパに優れていると思います。
実際、今年デビューをしてからどんどんと人気が高まっているようで、インターネットでも売り切れが続出しているようです(私もなんとか探して買えました)。
欲しい方はお早めに!
まだ買ってまもないので、数ヶ月実際に海上で使用してみてから、改めてレビューをしてみようと思います。
今回の記事が、時計選びの参考になれば幸いです。
それではまた!ありがとうございました。
Youtubeでは、腕時計をとにかく分かりやすく、+αの知識も得られるように発信しているので、見逃さないようにチャンネル登録よろしくお願いします!
それではまた!ありがとうございました!