『皆さんがはじめて買った腕時計は何ですか?』
私は、ロレックス サブマリーナ(ノンデイト)を正規店で購入しました。2016年の10月、当時26歳でした。
しかし最初から狙っていたのではなく、“価値観を大きく変える出会いと助言”があったから、最終的にロレックス サブマリーナにたどり着きました。
なぜ私は人生初の高級時計に、ロレックスのサブマリーナを選んだのか?
その経緯と理由を、当時を振り返りながら綴りたいと思います。
目次
ロレックス サブマリーナ ノンデイトを正規店で購入するまでの道のり
1: 新入社員時代: 時計に興味がない時期
私は、大学を卒業して2013年から社会人になりました。
“石の上にも三年”ではないですが、会社の先輩からも「3年間は頑張れ」と言われていました。
配属先はいきなり海外。100人くらいの職場でしたが、日本人はわずか5人程度。上司・同僚は全員外国人でした。
もちろんミーティングやメール、機械の説明書や仕事を教わるのも全部英語。
初めの一カ月は白髪が生えてくるほど疲弊していました。
大学時代の写真を頻繁に見返しては「このころに戻りたいな~」と、非常に後ろ向きでした。笑
ところが、2か月目に入ると英語を話すのが楽しくなってきて、3か月目に入ると、英語が当たり前の言語として染みついてきました。
まさに「習うより慣れろ」とは、このことだと思ったのを鮮明に覚えています。
英語が話せるようになりたかったら、文法とか発音とか気にせず、700時間くらい話せば誰でも話せるようになるかと、私の実体験から思います。
話が逸れましたが、そんなこんなで、丸三年の勤務を終えました。
その間に、クルマやスーツ、靴や財布など持ち物をアップデートしていきましたが、時計には全く興味がなく、「なんで時計に魅かれる人がいるんだろう?」と不思議に思っていたのを覚えています。
しかし、徐々に「まあ、社会人丸三年だし、ちょっと良い時計でも買ってみようかな」と思い始めました。
2: 社会人4年目: 時計に興味が出てきた時期と買い物の極意伝授
そこで、なんとなくのイメージでオメガのホームページを開いてみました。
「20代で手に入る良いイメージの時計ブランド」が、自分の中で、オメガだったんです。
しばらく眺めているうちに「お、時計ってなかなかかっこいいな」と思い始めました。
特に、シーマスター アクアテラの“シルバーxブルー”に心惹かれていました。
当時は、クォーツ式と機械式の違いもよく知らないで、「安いからクォーツっていうのでいいか~」くらいに思っていました。
そんなある日、仲の良い60歳のオーストラリア人チーフエンジニア「K」に相談しました。
Kは非常に几帳面で、仕事はとてもスマートかつプロフェッショナル。
私生活や、家・クルマなどの持ち物もとてもセンス良く、私にとって憧れの存在でした。
RY「Kさん、時計を買おうと思うんだけど、何がいいかな?オメガのこれとか良いと思うんだけど、どう思う?」
K「RYさん、いい質問だね。オメガのシーマスターアクアテラは良い選択だ。私の奥さんも同じ物を使っているよ。でも、一番のオススメは『ロレックス サブマリーナ ノンデイト』。ジェームズ・ボンドの時計で、世界中の男の憧れの時計だ。私も持っていたが、息子に譲ってね。彼は寝るときも外さない程、気に入っているよ」
RY「ロレックス?!いやいや、ロレックスなんて俺には早すぎるし、日本ではなんていうか、成金の象徴のようなもので、周りから色々言われそうだよ」
K「なぜそれが悪い?自分で働いて稼いだお金、周りは気にしなくていい。それにそれは日本だけだ。世界じゃ永遠の定番品だよ。それとモノを買う時は、昔からある定番品が良い。長く使えるし、どんな服にもマッチするからね」
こんな会話をしたことを今でもはっきり覚えています。
この会話で2つのことを教えてもらいました。
一つは「ワールドスタンダード」で考えること。
日本と日本人の価値観で物事を考えていては限定的で、モノの本質や本当に良いものを見誤ることがある。広い視野で、世界基準で考えた方が良いということです。
一つは「定番品」という考えです。
どうしてもぱっと見で主張が強いもの、目に入ってきやすいもの、流行に乗ったものがお洒落なものだと思っていましたが、それは一過性のものであることを学びました。
昔からある定番品は、流行に流されず長く使える。そして使いやすい。
つまり、探すべきは「世界基準の定番品」だと学んだのです。
しかしそうはいっても、やはりロレックスは気が引けましたし、ダイバーズウォッチは、なんかごつごつして好みじゃないなあと思っていました。
でも「あのKさんがおすすめするんだから、きっと間違いないモノなんだろうな」という感覚もしていました。
その会話から、今まで考えてもみなかったロレックスのホームページにアクセスしてみることにしたのです。
するとどうでしょう。あれよあれよと、そのカッコよさにのめり込んでいきました。
2,3日後には、完全にサブマリーナが欲しい!となっていました。(影響されやすいタイプ笑)
帰国したら、サブマリーナを買おう!と思っていました。正規店で手に入れることが難しいことも知らずに…。
※ロレックスのサブマリーナってどんな時計?という方におすすめの記事はこちらです。サブマリーナについて詳しく書いています。
3: ロレックス サブマリーナが欲しい!はじめてのロレックス正規店デビュー!
それからしばらくして、帰国し、さっそくロレックスの正規店へ向かいました。
しかし、だんだんお店が近づくにつれて、緊張してきました。
それもそうです。今まで一度も高級時計店なんて入ったことなかったし、やっすい時計しか持っていませんでしたし。
無駄に、辺りを一周したり、お店の前を行ったり来たりして、今思えばだいぶ不審者だったと思います。笑
そしてようやく意を決して、ロレックス正規店に突撃します。
RYの心の声「ぐっ…す、すごい緊張感だ…!しかもなんか、めちゃくちゃ店員に見られている気がする…!し、しかしここでキョロキョロしていては、ダサくなってしまう。常連感を出しつつ、行動するんだ…!」
RYの心の声「でも常連の動きってなんだよ!とりあえず店内一周するか?なんかそれが常連っぽい気がするぞ!よし一周しよう!」
とりあえず、平静を装い店内を一周して、適当なところでショーケースを覗き込みます。
RYの心の声「ほほー、これが生のロレックスか…。くっ、すごい輝きだ!さすがロレックスだぜ…!……ん?なんか小さくないか?…はっ!しまった!これレディースじゃねーか!!オワタ~!絶対オワタ~~!!( ^ω^ )」
そそくさとレディースゾーンから後退、HPがかなり削られたものの、なんとか態勢を立て直します。
RYの心の声「ぐっ…あやうく死亡するところだったぜ…。さすがはロレックス、今日はこのへんにしといてやるか。…いやしかし、ここで退散しては、もう二度と戻って来れない気がするぞ?ぐぬぬぬ」
RY(ようやく)本当の声「あ、あのすみません、サブマリーナってどこですか、、?」
店員さん「すみません、サブマリーナはただいま切らしていまして…」
RY「へ?( ^ω^ )」
そうです、ロレックスのサブマリーナは超人気のため、滅多に正規店で手に入らないのです。
そんなことは露知らず、私のロレックス正規店デビュー戦は、散々な結果に終わりました。
「しょげないでよベイベ~♪」帰り道、「はじめてのおつかい」のあの曲が脳内を巡っていました…。
しかし絶対に正規店で買うと、決意しました。2016年夏のことです。
4: 突然訪れた運命の出会い
それからどれくらい過ぎたでしょうか。
日本の季節はもう秋に入っていました。
あれからというもの、日本に帰るたびにロレックス正規店を訪れては、サブマリーナは無いと言われ続けていました。
そんなことから、だいぶ正規店にも慣れ、緊張もしなくなり、確かな“成長”を感じていました。
そして、2016年10月18日、その出会いは突然訪れました。
この日は日本から職場の海外へ出国する日でした。
いつもの通り、羽田空港に来て、チェックインやらなにやらをして、あとは飛行機に乗るだけというところまで来ました。
「さて、今日も行ってみるかな…」
毎月のように羽田には訪れていたので、なんの期待もせず、ルーティンのようにロレックス正規店へ向かいます。
「やっぱり無いか…」
ショーケースを覗き込んでも、当然サブマリーナはありません。
そのまま、お店を出ようかなとしたとき、感じの良さそうな店員さんが目の端に入りました。
RY「あの、すみません。サブマリーナって、無いですよね?」
なぜか声をかけていました。なんの期待もせずに、ただなんとなくです。
店員さん「実は3日前に入荷致しまして…ご覧になられますか?」
RY「え!?は、はい、お願いします!」
このとき、フライトまであと1時間を切っていました。
そしてついに、サブマリーナとご対面。しかも、探していた「ノンデイト」です。
RYの心の声「うおぉ…。いざこうして対面すると、すごい緊張するな…。」
このときの店員さんの対応がとてもよく、若干26歳の若造に色々と良くしてくれました。
RYの心の声「ここまでしてもらっておいて、買わないなんてことはできないよな…。でも時計に70万円?!よく考えろ俺…!70万円なんてめちゃくちゃ大金だぞ!しかもこんな小さなものにだ!あ~でもずっと探してたものだし、これ逃したらもう会えないかもしれない。くそーどうしたらいいんだ~!!」
店員さん「( ^ω^ )」
RYの心の声「フライトまであと40分しかないぞ…!やばい、どうする?!どうするんだ俺は!」
店員さん「( ^ω^ )」
RYの心の声「ええい、清水の舞台から飛んでやる~!」
RY「か…買います。これください」
店員さん「( ^ω^ )( ^ω^ )( ^ω^ )」
そしてようやく、念願のサブマリーナを手に入れ、飛行機のゲートまでダッシュしたのでした。
それから飛行機はもうサブマリーナの入ったケースから目を離せませんでした。めちゃくちゃ周りを警戒していたと思います。笑
正直、あれほどにまで探していたサブマリーナでしたが、いざ目の前にすると、本当にこの小さなものに大金を払うのかという自問自答と葛藤が物凄かったです。
しかし、フライトがすぐ迫っていたことや、店員さんの感じの良さに救われました。どちらかが欠けていたら、買っていなかったかもしれません。感謝感謝です。
5: 今あの時のことを振り返ってみて思う事
今、あの時のことを振り返ってみて、まず思う事は「あの時サブマリーナを買って本当に、ほんと~~~に良かった!!!!」です。
ロレックス サブマリーナは、あの直後から並行輸入品の値が急騰し出し、さらに正規店で手に入りにくくなったと聞いています。本当に良いタイミングでした。
しかも羽田空港だったので、免税で買えたのもかなり大きかったです。
そして何より、初めて手にした機械式時計がロレックス サブマリーナで本当に良かったです。
第一に、ロレックス サブマリーナは「永遠の定番品」であり「原点であり頂点」とも言えること。
サブマリーナはダイバーズウォッチの原型になったという歴史があり、ダイバーズの分野の原点であり頂点だと思っています。
つまり、今後ダイバーズウォッチを買いそろえる必要がないという事です。
これがもし、他の時計から入っていたら、結局ロレックスのサブマリーナが欲しくなり、結局高くついたでしょう。
初めての時計は、絶対に手元に置いておきたいし、売りたくないです。
だからこそ「これ以上ない」と言い切れる時計を、初めての時計にできて、心の底から良かったなと思っています。
第二に、「頑丈・堅牢」であること。
はじめての機械式時計だったので、勝手がわからず手荒な使い方もしてしまったと思います。
実際、購入後は尋常じゃないくらい嬉しくて、職場で夜な夜なサブマリーナを手に付けて、一人で歩いたりしてました。
そしたら、ガンッッ!!!と、防水壁と呼ばれる船の頑丈な鉄の扉に、ものすごい勢いでぶつけてしまったことがあります。
購入後2週間後くらいのことでした。
「終わったぁーーー!絶対終わったぁぁあーーー!!!」
ひとりで絶叫してしまうほどの衝撃でした。。
恐る恐る、時計を見て見ると、ベゼルと風防(ガラス面)に削られた、扉の白いペンキがべったりとついていました。
扉を見ると、サブマリーナにえぐられた跡がしっかりと残っていました。
半べそをかきながら、水で洗い流したり、ティッシュでこすると、あら不思議、キズ一つ付いていないではありませんか。
「あー良かった~。ロレックスで良かった~( ^ω^;)」と胸を撫でおろした次第です。
ちなみに今でも1週間で誤差0秒をキープしています。
第三に、「資産価値」です。
絶対に売る気はないと分かっていても、自分の時計がいくらになっているかは気になるものです。
試しに、時計店に見せて買取額を聞いてみると、なかなかのプラスの値段を出されます。
絶対に売ることはありませんが、それでも嬉しいものです。
もし「Kさんにロレックス サブマリーナを勧められていなかったら」「あの時お店に立ち寄らなかったら」「あの時店員さんに声をかけていなかったら」と思うとゾッとします。
なぜなら、ロレックスサブマリーナに出会えていなかっただけでなく、こんなにも大好きになった「時計」という趣味そのものにも出会えていなかったかもしれないからです。
そう考えたら、本当に感謝してもしきれないくらいの出会いに支えられて、今サブマリーナが腕に乗っているんだなと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、走り書きのようになってしまいましたが、私が腕時計にハマるきっかけになった、初めての機械式時計「ロレックス サブマリーナ」との出会いについて書かせて頂きました。
オーストラリア人のKさんから「世界基準の定番品」という概念を教えてもらったことで、ロレックスサブマリーナという選択に至りました。
よく買い物は一期一会と言いますが、ロレックスのSSスポーツモデルについては、本当にその通り、運命的だとさえ思います。
ちなみにもし今出会ったら、躊躇なく即座に買うでしょう。
当時の自分のそばにいたら、何迷ってんだ!と喝を入れてやりたいですが、当時の自分ではあれが精一杯だったんだと思います。笑
あの時、勇気を出して買うと言ったから、時計の魅力に気づけたし、今こうしてブログもやっているんだと思うと、感慨深いです。
以下の動画で、映像でさらに詳しく分かりやすく話しています。
ではまた!ありがとうございました。
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